マレット紹介第1弾 ティンパニ編
皆さん、こんにちは。打楽器奏者の田畑洸貴です。
この記事では打楽器にとっては欠かせない、マレットをいくつかご紹介します。
知らない方のために、「マレット」はドラムのスティックとは違い、先端の部分が少し大きいバチのこと。毛糸や絹糸、フェルトなんかの柔らかい素材で覆われているものが一番想像しやすいかも。
マレットにもそれぞれ、楽器ごとに使用用途が決まっていたりしますね。
ティンパニ用にフェルト巻き、マリンバ(大型木琴)用に大きな毛糸巻、シロフォン(木琴)用にプラスチック材や木製のもの。打楽器といっても沢山の種類があるので、それぞれに対応するバチを考えなければいけません。なぜなら、その選択によって大本の「音色」が決まるからです。
では、ここからはマレットをずらーーーと並べて紹介しますね。
まず第1弾は、
ティンパニマレット。
左から3つがPlaywoodのレイモンド・カーフスモデル。印象なのですが、かなりストレートな音色が特徴かなと思います。
左から4本目以降5ペアが加藤マレットです。チャイコフスキーM、バルトークM、グルントーンM、グルントーンMH、グルントーンH。
加藤マレットは世界のオーケストラでもシェアの高い、本当に質のいいマレットです。
学生にはかなりハードルが高い値段ですが、選んで損はしない逸品。マレット業界のMacbook pro?みたいなイメージ。
以前JPCの方に聞いたところ、ゼーガースモデルのチャイコフスキー、バルトークのシリーズは特に人気だとのこと。私としても本当に使いやすいマレットですね。
一番右は、アカデミアマレットさんのベートーヴェンS。今は販売されてないのかな。
この業界でも珍しいマレットで、先生なんかにも「何これ?どこのやつ?」って聞かれるくらい。でも、弱奏するときに本当に自然に鳴ってくれます。とてもセンシティブなマレットです。加藤マレットよりもはるかに安価で販売しているけれども、とても質のいいマレットです。おすすめします。
次もティンパニなのですが、ここからは柔らかいフェルト以外を紹介します。
左から3つ、これがカウフマンという所のフランネルと木バチ。
このマレットは撥の柄の仕上げが本当にきれいです。輸入ものなので少し値段は張りますが、癖が少なくウェイトも軽めになっているので、演奏しやすいですね。関西ではドラムセンターさんが輸入していますよ。
続いて、右から5番目。こちらもフランネルですが、PlaywoodのTF-13。もうだいぶ年期が入っている(笑)大学1回の頃に買ったものだと思います。
Playwoodのフランネルマレットはラインナップも多く、それでいて値段は抑え目。バランスもとてもいいです。ちなみにこのフランネルシリーズ、フランネルの止めネジが黒いほうがダーク寄り、白いほうがライトな音色だそうです(とある楽器販売の方に聞いた)。
右から4番目、これは特殊な木バチですね。私の中での通称「きのこの山」。
フロンメというヨーロッパの工房のもので、JPCさんにたまたま置いてあったのを一目ぼれして買いました。これも大学入学したての頃だったかな。なかなか先端の大きな木バチって少ない。ウェイトがあるので、とても重くて鋭い音が出ます。
右から3番目、これもPlaywood。よく吹奏楽でこういうベリーハードの赤マレット、見かけますよね。私の意見ですが、中高生にこのマレットはおすすめしません。なぜならティンパニの皮を叩く音がするから。ただ、それが必要な時もあるので、ラインナップに入っています。たしか、吹奏楽曲「ハリソンの夢」の細かいフレーズで使いました。吹奏楽向け。
右から2番目。これはアカデミアマレットさんのBachというモデルだったと思います。これもちょっと変わったマレットで、先端は硬質フェルトで作られています。程よく硬く、ちょっとバロック寄りのイメージで演奏できます。おすすめ。
一番右は加藤マレットの柔らかいフランネル。加藤マレットのフランネルシリーズってとても細かくて、柔らかい・硬め・革など素材も重ね枚数もかなり多種多様で、選ぶのは難しい。私のものは、柔らかくてそんなに分厚くないモデル。弱奏のトレモロにも使えます。
続いて第2弾は毛糸・絹糸マレットを紹介していきます!
お楽しみに。
★★★
【関連記事】
Playwood レイモンドカーフスモデルについて
https://onngakuduke-perc.blogspot.com/2015/02/blog-post.html
アカデミアマレット
https://onngakuduke-perc.blogspot.com/2017/01/blog-post.html
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